ネット上に残る過去の逮捕歴情報、風評被害や名誉棄損などのネガティブな記事が検索結果に残っていて、被害を被っているなら削除依頼をおすすめします。
最初にご自身で削除依頼をし、削除に応じないか社会的に制裁を加えたいと思うなら弁護士に相談するのが基本的な流れになります。風評被害や名誉棄損であれば弁護士案件となる可能性もありますが、逮捕記事では社会的制裁を加えることができるケースは少ないです。
当記事では、逮捕歴を削除して欲しい場合の削除依頼文の作成方法を紹介しています。
削除依頼文を作る前に知っておきたいこと4つ
逮捕記事を見つけたからといって、頭に血がのぼった勢いに任せて削除依頼を送るのはやめましょう。火に油を注ぐ結果になる可能性もあります。削除依頼文を作る前に以下の文章に目を通してから、作成してください。
記事削除依頼文を作成する前に
- なぜ記事を掲載しているのか?
- 逮捕内容の性質
- 反省し社会復帰を望んでいる事を伝える
- お願いする立場であることを自覚
1.なぜ記事を掲載しているのか?
・公共性の観点から(報道)
・アクセスを集め収益を得る目的
・社会正義のため
逮捕情報は実名報道から拡散が始まるのが基本です。例外として実名報道されていない場合でも個人情報を特定するネット上の物好きの方が、実名記事を作成することもあります。
報道後、アクセスを集めて収益を目的とするアフィリエイターやアドセンサーと呼ばれるブログ・WEBサイトに転載が始まります。中には、絶対に〇〇系の犯罪を犯した人を許さない、という主義主張を持って情報を拡散するタイプの方もいます。
削除依頼に対応するのは、アフィリエイターやアドセンサーと呼ばれるブログ・WEBサイトを運営している方々になります。削除依頼は基本的にこの方々向けにお願いしていく方向性になります。
彼らは、収益を上げることを目的としているので「余計なもめごとを避けたい」というのが基本的な考え方です。複数の逮捕者の名前でアクセスを集めている場合は、1記事削除するだけなので比較的容易に応じてくれます。
絶対に〇〇系の犯罪を犯した人を許さないという主義主張を持つ方々に、削除をお願いするのは非常に難しいので優先順位を下げて対処しましょう。
2.逮捕内容の性質
逮捕内容の性質によっては削除依頼に応じて貰えないことも多いです。特に削除に応じてもらえないのは、以下となります。
・詐欺系
・性犯罪系
・虐待系
社会復帰をして欲しくないと考える人が多い逮捕事例となります。
上記の場合でも、不起訴になった場合や服役し罪を償った事実があれば対応してもらうえる可能性はありますが、削除依頼することによって相手の気持ちを逆撫でする可能性もあります。
削除依頼が火に油を注ぐ形になる可能性もあるので注意しましょう。
3.反省し社会復帰を望んでいるのが伝わる
削除依頼文の中には、どれだけ反省しているかということを盛り込んだ内容にしましょう。
・反省している旨
・社会復帰の足かせになっている旨
上記が伝わるような文章を作成しましょう。
4.お願いする立場であることを自覚する
逮捕情報は公共性の観点から記事掲載することが容認されています。逮捕から長期間経過した場合は、削除に応じるべきという判例はあります。→デジタルタトゥー裁判事例集
ただし、裁判の判決にて削除依頼に応じる命令が出たからといってそれが全てに適応される訳ではないので裁判をする必要性があります。
前提として、削除依頼をする側はお願いする立場である。ということを自覚しながら削除依頼文を作成しましょう。
記事削除依頼文の例文
※以下はあくまで例文であって提案ではないことにご注意ください。
<記事削除依頼例文>
××様のブログ記事(http://~/~)に掲載されている記事の削除をお願いさせていただきたくご連絡させていただきました。〇〇です。
該当記事内での事件に関しては不起訴処分となっておりますが、逮捕された事実は大いに反省しております。
社会の一員として社会復帰したいと考え行動しているのですが、私の実名を検索すると該当記事含め多数の逮捕情報が閲覧できる状態となっております。
社会的、経済的、そして精神的にもこれらのネット情報が社会復帰の大きな障壁となっております。
一方的なお願いとなるのですが、該当記事の削除をお願いします。
よろしくお願いいたします。
〇〇
弁護士に安くお願いするには
削除依頼文に弁護士の名前があると削除依頼がスムーズに進みます。ただし、削除依頼を弁護士にお願いした場合は、1件毎に5万円~10万円の弁護士費用が必要となります。お金に余裕がある方は、削除依頼を丸ごと弁護士に投げるのがおすすめですが、多くの方には費用負担が大きいはずです。
ReStartはご自身でできることをした後で、どうしても削除したい記事がある場合弁護士に相談することをおすすめしています。
初めから逮捕記事の削除依頼を弁護士にお願いすると、数十件×弁護士費用が発生します。ご自身で削除依頼をお願いした場合でも削除してもらえる記事は複数あります。数十件→数件になってから弁護士にお願いする方が良いと考えています。
数十件→数件になった時には、検索結果では目立たないようになっている可能性もあります。その場合は、放置するという選択肢も候補になります。
弁護士にお願いする時のポイント
弁護士は時給の高い仕事なので、できるだけ弁護士の仕事を減らした状態でお願いすると弁護士費用を抑える交渉をすることができます。
弁護士の仕事内容
- 違法性の判断
- 問い合わせ先を調べる
- 削除依頼文作成
- 削除依頼する(メールを送る)
1.違法性の判断は逮捕記事削除の場合は必要のないケースが多いです。風評被害や名誉棄損であれば、違法性の判断が必要となります。
2.問い合わせ先を調べる方法は、そこまで難しいことではないのでご自身でもできます。お問い合わせ先を一覧にして弁護士の仕事を減らしましょう。→お問い合わせ先の調べ方
3.削除依頼文作成もご自身でテンプレートを用意しておくと、弁護士の仕事が減ります。いかに弁護士にお願いする際の削除依頼文の例文を作成しました。※提案ではなくあくまで例文です。
4.削除依頼する(メールを送る)時には、〇〇弁護士事務所の〇〇弁護士という部分が相手側に「削除した方が良い」と思わせる可能性があります。中には、逆効果となる場合もありますが多くは削除する方向に働くと考えています。
※弁護士の名前は削除してもらいたい時に効果的ですが、勝手に弁護士の名前を使わないようにしましょう。それは犯罪です。
弁護士費用を抑えるためにも、弁護士にお願いする部分を4.削除依頼する(メールを送る)だけにしましょう。
<削除依頼例文>
〇〇の代理人をしている〇〇です。
××様のブログ記事(http://~/~)に掲載されている記事の削除をお願いさせていただきたくご連絡させていただきました。
該当記事内での事件に関しては不起訴処分となっておりますが、逮捕された事実について○○は大いに反省しております。
○○社会の一員として社会復帰したいと考え行動しているのですが、〇〇と検索すると該当記事含め多数の逮捕情報が閲覧できる状態となっております。
社会的、経済的、そして精神的にもこれらのネット情報が社会復帰の大きな障壁となっております。
一方的なお願いとなるのですが、該当記事の削除をお願いします。
よろしくお願いいたします。
◇◇法律事務所
〇〇
電話番号:03~
所在地 :××
まとめ
一度ネット上に拡散した逮捕情報を削除していくのは手間と時間がかかりますが、削除依頼をこまめにしていけば確実にネット上の逮捕情報は少なくなっていきます。
当記事で紹介した削除依頼文の例文は、あくまで例文なのでご自身でアレンジなどしてお使いください。ご自由にお使いいただいて問題はないのですが、問題が起きた場合はあくまで自己責任でお願いします。